無人通信

森のほねほねさんから無人通信

無人通信 1

でたまちにも、きたまちにも、ヒトッコひとりいない。冷蔵庫のモーター音だけがしている。おもえば、ぼくのそばで10年もなっていたのだ。スパゲッティといっしょに、もらったブロッコリーを茹でて食べた。笊の目にブロッコリーの子どもたちがつまった。ブロッコリーなんてちいさい森じゃないか、といったひとがいて、それをきいたおんなのこたちが、ほんとうにたのしそうにわらった。おれはそんなのぜんぜんつまんないよ、と思った。田端駅のさきの峡谷には、目玉をなくしたトロルがいまもしゃがみこんでるらしい。ヒトッコが教えてくれた。そろそろ出かけなくちゃ、でたまちにも、きたまちにも、たずねるまちにも、たまにすれちがうひとびとがいるばかりで、きっとぼくにはなにもない。瓶入りの牛乳をさがしています。